大宮司朗先生に聞く
(『八幡書店ニュース』NO.20より転載)
●霊学の核心に位置する太古真法
――太古真法についてわかりやすく説明して下さい。
大宮 太古真法は、ずばり霊学の核心に位置するものです。神道霊学においては、産霊紋理(むすびかため)が重要ですが、その産霊紋理をも支配するような究極の神法が太古真法なのです。太古真法によって初めて産霊紋理を作り替えることができるのです。太古真法の具体的な実践方法としては折り符があり、『太古真法玄義』は、その作り方をわかりやすく公開しています。その折り符が単なる霊術と違うところはひとつひとつの折りが真理にのっとって折られていること。つまりそこには宇宙の秘密や玄義を解きあかす鍵があるのです。
――そもそも大宮先生と太古真法との出会いとは?
大宮 松浦彦操の著書を入手したのが大きな切っ掛けです。そこには太古真法の伝承過程が書かれていました。それ以前には太古神法を紹統した友清歓真にも大きな影響を受けました。
――友清歓真は太古神法であり、大宮先生は太古真法と表現されていますが……
大宮 神法という場合は神さまの関係がありますね。私の研究によれば、神が授けたものだけではなく、仏教的ないしは道教的な折り符が存在することもわかってきました。仏教や道教の折り符をも神法と表現するのはちょっと無理があります。そこであえて太古真法という表現を使ったのです。
――太古真法の起源というのは、どのように伝承されてきたのですか?
大宮 古神道的にいえば、太古真法は天孫降臨の時に存在するのです。松浦家の伝では、天照大神が天の岩戸にお隠れになった時に、他の神々が岩戸の前に集まっていろいろと考えますね。あの時に真澄の鏡などいろいろなものが作られたのですが、その一つが「折り・包み・結び」の太古真法だったというのです。この「折り・包み・結び」の形象物である折り符は、天孫降臨とともに三種の神器につけられて、地上にもたらされ、その後、倭姫命を始祖とする伊勢斎宮の姫君が密かに護持するようになり、南北朝以降に松浦家等に伝わり、今日に至ったというのです。そういう意味で折り符は神事のために不可欠だったのです。
●絶大な効力を発する折り符
――「折り・包み・結び」についてわかりやすく説明して下さい。
大宮 「折り」は天意の律動であり、「包み」は真理を包むことであり、「結び」は悪因縁を良因縁に結びなおすことをいいます。この「折り・包み・結び」によって、神人一体の境地に達することができるようになります。しかも「折り・包み・結び」の真法を活用すれば、身心が浄化され、災いを祓い、ありとあらゆる願望が成就するという絶大な威力を発揮するのです。
――本書には、その折り符が厳選網羅されているわけで、本当に貴重ですね。
大宮 ええ、なんといっても、過去において公開されたことはなかったのですから。本書には、初歩のものから奥のものまで示しています。一般の人や霊学に関心がある人や専門家が使うべき折り符はすべて収録しています。ですから本書を備えておけば日常生活においても的な面においても絶対に不自由はしないと断言できます。
――折り符の伝法は、一符につき数十万円ということを聞いたことがありますが。
大宮 伝法といっても大変で、某所で伝授しているのはせいぜい四〜五法です。しかもいろいろと修行を重ねなければだめですし、膨大な時間がかかります。普通の人が伝授されるのはまず無理だと思います。
●先祖供養からあらゆる願望成就まで
――その意味でも『太古真法玄義』は大変ありがたいですね。祖先供養はもちろん、因縁解除、財産獲得、除災招福、願望成就まで霊験きわめて顕著な折り符を多数収録して頂き、しかもわかりやすい図解入りなので、重宝きわまりないと思います。
大宮 祖先供養を例にとれば、本書には霊魂安鎮符の折り符があります。例えば、家のなかにいろんな災いがあったり、自分のやることがうまくいかないというような場合、先祖をよく祀っていないことが考えられます。もしくは自分の身近な人が亡くなった場合に、その人をお祀りしていないといった一種の霊障によることがあるわけです。ですから、それを鎮め、慰め、正しい神界に導くための符として霊魂安鎮符があるのです。この一符だけでも生涯にわたって受用無尽です。この符を用いて亡くなった方をお祀りされるだけでも、その家が繁栄し、運勢が大好転したという事例が数多くあります。この一符のみでも金銭では購いがたいほどの価値があると思います。
――折り符は霊符同様、できるだけ自分でつくった方がよいのでしょうか。
大宮 もちろん体がご不自由な方ならば、誰かに頼むしかありませんが、とにかくできる限り自分で折ることが大切です。折り符を折ること自体が自分の心を清め、身を清めることになります。潔斎にもなるし、自身の心を調和させる働きもあります。それがまた功徳につながってくるのです。
例えば、本書には家内安全符があります。この符を折っていくうちにそれだけではなくて他の効能、たとえば商売繁盛にもなり、病気が治ってしまうということもあるのです。自分は家内安全符を折ったはずなのにどうして病気が治ったり、商売が繁盛するようになったのだろうという不可思議な現象がおきるんです。というのは一つの折り符が一つのことに効果があるというだけではなく、それ自体がその人の身心を清める働きがあり、霊的波動をよくする働きがあるからなのです。ある意味でそれぞれの折り符が万能的な効果をもっているのです。
●多様な効能を持つ折り符
――単に一つの目的だけではなく、他のことにも効くわけで、そこが一般の霊符とは違う大きな特徴だといえますね。
大宮 それと、霊符は正邪の判断がむずかしいわけです。折り符は、清浄な紙を一枚用意すれば、誰でも間違うことなくつくることができます。折り符には、祀るもの、はるもの、持つもの、枕の下に置くものというふうにいろいろな使い方がありますが、本書にはすべてその方法も収録されています。なお、『霊符秘密集傳』に収録の霊符は正神界のもので間違いありませんが、一般に出回っている俗符の中には、お金をもうけるための符を書けば、お金はある程度もうかるかもしれませんが、その反動でほかのことが悪くなるという恐ろしいことがよくあります。『太古真法玄義』の折り符はそういうことはなく、かえって多方面にもよい影響を与えるのです。
●霊符と併用すれば効能抜群
――折り符と霊符を併用しても問題はないですか?
大宮 折り符の上に、霊符を書けば、さらに効果は増大します。折り符と霊符を併用すれば、問題がないどころか、抜群の効果を発揮するのです。ですから『霊符秘密集傳』をお持ちの方は、本書と合わせて用いることをお勧めします。
――折り符で用いる紙は清浄なものということですが、具体的にはどういう紙を使ったらいいのですか?
大宮 半紙でも結構ですが、本当は手漉きの和紙がよろしい。また厳密にいうと、紙の大きさに定めがあって、それ自体が口伝となっています。この定めはまだ公開されたことはありませんし、知っている人も殆どいません。その口伝もここで初めて公開していますので画期的だと思います。
――ところで、偽折り符というのもあるのですか?
大宮 あるんです。これは作らざるの伝といわれているのです。本書の通りに作らず、ここを変えたら格好がいいんじゃないかとか適当にやってひどいめにあった人もいますから、とにかく自己流は慎んでください。本書の通りやれば、絶対に間違いがないのです。たとえば武術においてもツボというのは人を殺す場所にもなるわけです。うまく活かせば病気を治すのだけれども、そこを間違えて当てたりすると逆に苦しむことになります。同じように符も自分勝手に扱うとどうなるかわからない部分があるから注意する必要があります。
●実際に効くか否かがわかる審神法も公開――本書ではさらに、自分でつくった折り符が実際効能があるかどうかがわかる審神法も書かれていますね。
大宮 ええ。折り符自体、形通りにできていれば神からの力がそこに入り、いわゆる奇蹟をひき起こします。ただ、人によって微妙に働きが違うのです。例えば、潔斎してつくったものと、潔斎しないでつくったものとではたしかに感応の度合いが違ってきます。折り符を何枚も折って修行した人とはじめてつくった人とでは同じ効果があるといっても格段の相違がでてきます。通常の霊的書物には、そうした審神法は書かれていません。さらに普通の神社から頂くお守りにしても本当に自分自身にとって感応があるかという疑問がある場合もあるでしょう。それがわかる方法が実際にあるのであって、そういったことを審神するための方法をここに公開しておきました。
――たとえ霊能がない方であっても、これは感応があるとかないとかがわかる方法を公開して頂いたことは素晴らしいと思います。霊符にも応用できますので、『霊符秘密集傳』の講読者にとっても朗報ですね。
大宮 いままで霊符をお書きになった方、もしくは扱いになる方はこの審神法を知るだけでも、本書をご購入されて損はないと思います。霊符や折り符をいれるための清め包みの秘法も今回公開しておりますし。
――清め包みの秘法とは?
大宮 霊符にしても、場所などの因縁によってケガレがつく場合があるります。それを遮断する方法が清め包みなのです。この清め包みの折り符のなかに皆さんがいままで作られた霊符をいれておけば、ケガレは完全に遮断できます。また、手紙などで霊符を送る時に普通の封筒にそのまま入れて送ったのではどこでどういうケガレがつくとも限りません。清め包みに入れて送れば、これを防ぐことができるのです。
●一家に一冊の必備の霊書
――霊学の道統、言霊、天津金木、数霊、太占、斎戒、呼吸法、玄気発現法などもわかりやすく解説されていますね。
大宮 本書は一般的な霊学の入門書にもなっています。というのは太古真法自体がそういったものと密接な関係があるからです。そうした霊学の中核にあるのが太古真法なのです。太古真法を充分に知ることで、他の霊学もわかってきますし、逆に他の霊学を理解することによって、太古真法の深い意味が自然にわかってくるのです。本書を一冊家庭に備えておけば、人生の節目節目で必ずやお役にたつと思います。