神意解釈に重点を置いた易学秘蘊書
易学速成講義録
大島中堂=著 豪華クロス装幀 美装函入 総1000頁
13,200円(本体12,000円+税10%)
真勢易を研究し、大正から昭和にかけて天才的な易の大家と称された大島中堂の著作を復刻。中堂は、周易卜筮は天地神明に問うて未来の吉凶禍福を予知するためのもので、神意表現→神人交渉→神告解釈のプロセスをへてようやく到達する、一種の宗教であるとしている。
本書は初学者のための講義録の体裁で四部構成になっており、「周易講義」において彖爻十翼の経文を解釈することはもちろん、神意表現の方法である六十四卦の卦象を「象法講義」にて講義し、神人交渉の方法である分卦 帰の筮法を「筮法講義」にて示し、神告解釈の方法である得卦の吉凶悔吝を見定める占法を「占法講義」にて明らかにしている。
とかく易経の解釈のみで、象法・筮法・占法についてはおろそかになっている易学書が多いなかで、本格的に易の神髄を学ぶことができる書であるといえよう。全くの初学者には難しい内容ではあるが、総ルビなので大正の著作とはいえ比較的読みやすいので、書架に加えられて日々の研究に使われることを祈念する次第である。